2016年11月26日 それは僕です !!! 〜 フランス山の風車と安岡章太郎のこと

  • 2016.12.02 Friday
  • 05:18

 

 

2016年11月26日 フランス山の風車

 

 

 

こんにちは

 

 さっそくですが、いきなりタイトルにした「それは僕です!」の意味は先日の

記念対談で、安岡治子氏からお聞きしました。

詳しくはこうです … 昔、文学少女であった母は文学座の研究生であったとか、ある日(1952(昭和27)年の暮れごろ?)、みんなで日本の芝居見物のあと大勢で喫茶店に入ったとき、母がたまたま買った、そのときに持っていた文学界を携えていて、このなかにひとつ素晴らしいのがあるわよ!と母が言ったらしい。そして、ここに書いてある愛玩という小説を書いたこの人は天才よ!そういう風に言ったらしい。そしたらなにか席がずっと向こうの方に座っていた、モソモソっとしたおじさんみたいなのが「それは僕です!」って手を挙げたらしいんです(このとき対談会場に大爆笑が起こりました! それがしも笑った!)。それで母は「ええ!まさか!」と、言ったらしいですけどそれが出会いだったということで、それからなんとなく付き合って結婚することになった由 … このときはほかにもいろいろとエピソードを披露してくれましたが、それは後程にさせてください … しかし、いい話しですね。それは僕です!ってカッコいいね!このとき安岡は32歳ですが翌年には芥川賞を受賞。

 

安岡治子 … やすおか はるこ  ロシア文学者。1956年、安岡章太郎の長女として東京に生まれる。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に『総合ロシア語入門』、共著に『ロシア文学案内』『岩波講座文学超越性の文学』『ユーラシア世界 稘譟笋函秬勝筺戞△もな訳書にV.ラスプーチン『マリアのための金』『マチョーラとの別れ』、V.アルセニエフ『デルス・ウザラ』、V.エロフェーエフ『酔どれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行』、F.ドストエフスキー『地下室の手記』『貧しき人々』『白夜/おかしな人間の夢』、共訳にS.セミョーノヴァ『フョードロフ伝』、F.イスカンデル『チェゲムのサンドロおじさん」など(記念対談案内より)。

 

 

 

安岡章太郎展 記念対談・案内

 

 

 

失礼しました、本題に入ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先日、閉幕間近の「安岡章太郎展」へ行ってきました。

今月(11月)はこれで三度目でありました。先ごろの対談と講演は地味ではありましたが、なかなか手応えのあるものでした。近年? 講演会はハズレ(スカ)の連続でしたから、うれしさも一入でありました。そして、この日は自分なりにちょっと現実的なことを考えました。それは今回のような展覧、つまりは安岡章太郎展、次の開催は10年後とか15年後とか?いつ頃だろうと思いました。まさかとは言え少しばかり真に迫ってくるものを幽かに感じました … つまり、10年間とか15年間とかのスパン?で考えると … 今回が見納めになるのかな?そんな予感というか不安みたいなものを感じましたが … 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな訳で今回はいつもの三倍くらいのゆっくりとした動きで見て回りました。いつものように時々、メモをとりながら、あちらこちらと拝見しました。ほんといい展覧でした … 会場の出口近くにギンガムチェックのシャツを着て優しく微笑んでる!安岡章太郎の一枚の大きなカラー写真は(本人も気に入っていたとか)とても良かった! 強く印象に残りました。余談ですが、この一枚は図録にもあるんですが、残念ながらこちらは白黒でありました。

 

 会場の入口に設置されていた大画面のモニターからは、在りし日の安岡章太郎が実にゆっくりと、しっかりとした語り口で朗読 … 井の頭公園で黒いシェパードが野犬から自分を守ってくれたとか … している姿が流れていました。最前列の席に座り、しばし、聞き入りました。そしてときおり目をつぶると、あたかも天国から安岡章太郎が舞い降りてきて目の前で話をされているような錯覚(感覚)に全身まるごと覆われてしまい、ほんと驚きました。それでもしばらくすると驚きがよろこびに心地よさに変りました。この瞬間、あぁ〜、来てよかったと実感しました。会場内には当時を偲ばせる数多くの葉書きや手紙、文書、書籍や写真などがあり、これでもかこれでもかと言わんばかりに、遠い過去へそれがしを引っ張っていきます。そんな目に見えない力に身を任せて思いっきりひかれて、その昔へ思いを馳せました。楽しかったです。今さらながら安岡章太郎はすごい時代に生きていたんだなぁと改めて思い感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時代の仲間たちは真の文士たちがいっぱいでありますね、錚々たるメンバーだったのがよく分りました。安岡章太郎の足跡と仲間たちがとても身近に感じることができました(ちょっとうらやましくもありましたが)。

こころに残るいい展覧でした。

がんばれ、 神奈文 !!!

 

 

 

 

 

 

こちらは、本展覧の図録ですが、ここに村上春樹が「寄稿」していましたので、ちょっとご紹介します。

… それがし昔からですが、常々、村上春樹はもう少し歳をとると安岡章太郎みたいな存在になるのでは!と思いながら(半分は願望かな?)今日まできました。そんな思いでこれ読んでいたら章太郎と春樹が頭のてっぺんでグルグルと飛び交ってきて、ちょっとうれしくなったり寂しくなったりして、一瞬、ウルウルきてしまいました。

それがしには安岡らしさと村上らしさが、ほんわかとにじみ出てくるいい話しだと感じました。

 

 

 

 

「サクブンを書くのだって」

      安岡章太郎さんのこと

                               村上春樹

 

 僕は実際に安岡さんにお目にかかったことは一度しかない。僕が『群像』の新人賞をとったすぐあとのことだったと記憶している。でもそのときは安岡さんの書かれたものをほとんど何も読んでいなかったので、とくにたいした話もできなかった。僕は十代の頃は日本の小説をあまり手にとらなかったので、安岡さんばかりではなく、ほかの日本人先輩作家たちのものもおおかた読んではいなかった。その頃はとにかく外国の小説ばかり読んでいた。日本の小説を積極的に手に取るようになったのは、小説家になってしばらくしてからのことだった。

 四十代を迎えてから、安岡さんの小説をやっとまとめて読んで、「そうか、安岡章太郎という人はこんなに素晴らしい作家だったんだ」と深く感心してしまった。でもだからといって「あのとき、お目にかかったときに少しでも著作を読んでいればよかったな」という風には思わなかった。というのは、安岡さんの書いた小説を読んで深く感心して、それから安岡さんの実物(というか)に会って、それで面と向かって何を話すかというと、話すべきことがほとんど何も思いつけないからだ。ずっと年上の作家に向って「しかし、安岡さんって文章がほんとうにうまいんですね」みたいなことをいうわけにもいかない。そんなことを言われたら、向こうだって困るだろう。だから結局は会っても小説の話なんかほとんどしないだろうし、じゃあまったく何も読まずに会ったときとたいして変わりもないはずだ。

 

 かくかように、小説家と小説家が出会うというのはなかなかむずかしいものなのだ。自分があまり評価しない作家と会って話すのももちろんむずかしいけれど、自分が高く評価する作家と会って話をするのもそれに劣らずむずかしい(だからつい、ほかの作家と顔を合わせる機会はあまり作らないという、逃げ腰な方向に行ってしまうわけだが)。 

 でも記憶を漁ってみると(会ったのはもうかれこれ三十六年くらい前のことになるが)、僕は自分の書いた小説について安岡さんに、「恥ずかしいです。まだサクブンみたいなものですから」と言ったことを覚えている。それはべつに謙遜じゃなくて、本当に心から思っていることだった。こんな程度のものを小説と呼ぶのはまだまだ恥ずかしいと。それに対して安岡さんは「君はそう言うけど、サクブンを書くのだってむずかしいんだよ」と言われたような気がする。そう言われてみれば、たしかにそうだ。サクブンを書くのだって、いちいち考え出すとなかなかむずかしいかもしれない。

 安岡さんが作家としてデビューした年齢は、僕がデビューした年齢(三十歳だった)とあまり変わりないわけだが、そのころに書かれた初期作品を読んでみると、「ほんとに上手だなあ」と舌を巻かないわけにはいかない。文章にキレがあり、実に生き生きしている。この人と僕とでは、同じ新人作家でも才能のレベルがもう全然違うと思う。書かれたものを比べると、無力感にさえ襲われる。

 でも「サクブンだってむずかしいんだよ」という安岡さんの言葉をときどき思い出しながら、それから三十六年間、こつこつとめげずに作家活動を続けてきた。おかげで書くものもだんだん小説らしくなってきたように思う(もちろん自分でそう思っているだけだけど)。 

 前にも述べたように、小説家と小説家が出会うというのはなかなかむずかしいものだ。でも会えば会ったで(あるいはすれ違うだけでも)何かひとつくらいは良いこともあるのかもしれない。得ること、役に立つこともあるのかもしれない。安岡章太郎さんのことを思い返すと、そういう気がしないでもない。    (小説家)

 

 

 

 

 

 

本展覧の半券です

 

 

 

 

 

フランス山の風車を撮りに・・・

 

 

この日は、絵を撮るには持って来いの曇天でありました。少しばかり時間もあったので昔から気になっていた「フランス山の風車」を撮ってきました。

しばらくお付き合いのほど …

 

 

 

こちらがフランス山の頂上?に至る120段ほどの階段です。

この日も若い二人連れにさっさと追い抜かれてしまいました。

まぁ、いつものことですが歳には勝てませんね。 

余談ですが、これ誰も居なくなるまで10分間待ちました(ほんとです)。

やっぱり早朝ですね!

 

 

 

 

☆L1019902☆.jpg

 

 

 

 

 

 

ここは心臓破りの階段?を登り切ったところです。

心臓がまだバクバクしていて息をゆっくりと静めてから、こうして辺りを見回すとどことな〜く夏にはドロンと幽霊でも出没してきそうな雰囲気が漂っていましたが、ここはフランス山ですから、きっと足のある幽霊さんだと思いますが … 。

 

ここでよ〜く目を凝らしていただきますと、分かりましたか?正面中央の外灯の真下に、それはありました… でもちょっと無理かも知れません ??!!

はい、それはフランス山の風車です。

 

 

 

 

☆L1019904b☆.jpg

 

 

 

 

 

 

☆L1019907☆.jpg

 

 

 

 

 

 

はい、こちらが「フランス山の風車」です。ときは1896(明治29)年、この地にフランス領事館が建てられ、この風車は井戸水を汲み揚げるためのものです。しかし、それがしが何故にここまでこの「風車」にこだわるのか、と言えばその昔、20年は経ってる?プレステのゲームにミスト(MYST)というのがありまして、このゲームに関しては後にも先にも、ほんとここまでハマってしまったゲームはこれひとつですが … 毎晩のように夜中までマウスをニギリしめて徹夜もよくやりました。そんな訳で、この風車を目にすると何故かこのミストを思い出すんですが … … たしかミスト島の天辺あたりにこんな風車が回っていたような記憶があるんですが?確かではありません(単純にそれがしの思い違いかも知れません)。

 

 

 

 

☆L1019912c☆.jpg

 

 

 

 

 

 

☆L1019913z☆.jpg

 

 

 

 

 

 

☆L1019920b☆.jpg

 

 

 

 

 

 

ここは小さな廃墟のなかです。

こんな絵を撮ってると、なんとな〜くメランコリーな気分になってきます。

そんな場所でありましたがたまには目が覚めて?

いいもんです。

 

 

 

 

☆L1019924c☆.jpg

 

 

 

 

 

 

☆L1019925b☆.jpg

 

 

 

 

 

 

☆L1019928☆.jpg

 

 

 

 

 

 

☆L1019929☆.jpg

 

 

 

 

 

 

☆L1019935b☆.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、横浜地方気象台 です(旗がちょっと見にくいですが)。 

いつも、この鉄塔に吊るされている気象予報旗?なんてね、正式には 天気予報形象標識 と呼ぶそうですが、この旗見るのが昔から好きです(勿論?意味までは理解していませんというか、とても覚えきれません!)。

 

 

 

 

 

☆L1019939☆.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、丘公園(港の見える丘公園)近くで撮りました。

 

 

 

 

 

ではでは。

 

今日も最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

師走です、車の運転は安全第一でお願いします。

 

 

 

コメント
初めまして。ある言葉を検索していてこちらのブログにたどり着きました。とても興味深い記事ばかりで、思わず検索していたテーマの他にも色々と読ませていただきました。この安岡章太郎氏の「それは僕です!」のエピソードはとても微笑ましくて、氏の著書は読んだことはないのですが、お人柄の魅力に惹かれて読んでみたくなりましたよ。

フランスの風車もこのタイプなのですね。以前スペインのマヨルカ島に行った時にこのタイプの風車がたくさん立ち並んでいました。マヨルカ島だけにあるのかと思ってました。下の記事にマヨルカ島の風車が写ってます。

http://lichtblume.exblog.jp/16503397/

今の季節、マヨルカ島はアーモンドの花が満開なことでしょう。

アムゼルさん、こんにちは!

コメントありがとうございました。
そしてドイツで暮らしているとのこと … ドイツからだと
ヨーロッパ中行けますね! エンリケ王子にも会えるし!
… ほんとうらやましい限りです、最近までリスボンとか
ポルトとかに移住しようと、真剣に考えていましたがどうも
年齢的に無理なようで、諦めました。

これからも貴blg.  http://sterntor.exblog.jp/

の更新、がんばってください !!!


  • 乙舳のかわせみとんぼ
  • 2017/02/24 5:41 PM
うっかりして、HNに旧ブログのアドレスの方をリンクしてました。
新ブログのアドレスを記して下さいましてありがとうございます。
リスボンやポルトへの移住を真剣に考えていたほどポルトガルがお好きなのですね。
これまで旅した場所の中でポルトガルの土地のエネルギーが一番気に入ってますので、
何だか嬉しく思います。
とんでもありません!
張り付けるときにこれでは二度手間になると思ったまでのこと
です。それよりもしつこいですが、ほんといいところにお住ま
いですね。いつでも思い立ったがいま、勢いそのままにリュッ
クひとつでちょっとウトウトしてると目の前にはテージョ川の
流れが … 夢のようです(失礼しました、限がないので止めま
す)。
ではでは。

  • 乙舳のかわせみとんぼ
  • 2017/02/25 12:52 AM
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